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嘘やろ!?
第20章 モフモフ
だけど、それは義務教育までだと教える必要がある。
「なら、アンタが悪い。それで済ませたらええねんな?」
「結局はそうなるんやろ?」
「ならへんよ。何故ならアンタが悪いで終わったらアンタは退学やからな。アンタの言い分も全てが否定されて退学して全てが終わるだけや。」
初めてJrが驚いた顔をする。
「ここは私立やしな。金払ってるから退学になれへんとか勘違いやで?金払っててもアンタらはお客様の扱いはされへんし、普通の店にも客を選ぶ権利があるって法律でちゃんと保護されてるんや。つまり、アンタが悪いを簡単に認めるのは止めてくれるか?」
それが社会のルール。
それを社会に出る前に3年の時間をかけて教える為の学園…。
「学園をアンタが辞めたいならアンタが悪いで終わらせたるわ。だけど辞める気がないならアンタだけが悪いんちゃうと態度で示してや。」
「態度?」
「暴力はあかん…。」
Jrがそっぽ向く。
「髪を臭い言われたんやろ?」
Jrは答えない。
「ほんまに臭かったらこの狭い進路指導室から先生は逃げ出しとるって…。」
一方的に話し掛ける。
触った時にふわりと草原のような香りがした。
日本人が無理にドレッドヘアーにすればなかなか髪を洗えないから臭くなる。
彼の場合は無理にパーマでドレッドにしてる訳じゃない。
逆にストレートにする為にはパーマが必要になる。
その違いを知ってれば問題なんか何もない。
「臭いと馬鹿にされたまま学園を辞めるか、臭い言うた子を罰するつもりで学園に残るか…。篠原君が決めなさい。」
「罰する事なんか出来へんやろ?」
Jrの寂しい苦笑いに胸が痛くなった。