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嘘やろ!?
第20章 モフモフ
中野先生辺りなら手懐けたという言い方をするに決まってる。
そんな事はどうでもええ…。
Jrとは先ずは信頼関係を築く事が最優先や。
「今日はもう帰ってええよ。」
Jrを帰らせる。
「ただし2度、暴力はするな。」
「考えとく…。」
まだ私を警戒する黒豹が帰った。
腰が抜けるかと思った。
ほんまにJrを無事に卒業させる事とか出来るんか?
自分がやろうとしてる事に自信がなくなって来る。
「篠原は?」
職員室に戻った私に中野先生が確認をして来る。
「帰りました。」
「保護者には?」
「まだ連絡をするつもりはありません。」
「なら、それは僕がします。」
「止めて下さい!」
中野先生が嫌な顔をする。
「今回の事は篠原君だけの問題じゃありません。篠原君を臭いと言った子の保護者にも連絡をして退学の警告を出しますか?」
中野先生にそう詰め寄った。
「臭い言うたくらいで退学にはならないでしょ?」
「なら、暴力の事実がなかった篠原君も同じです。寧ろ、臭いと発言した子は言葉の暴力である事をもっと認識させるべきです。」
「それは彼が黒人だからですか?」
中野先生が冷ややかな目で私を見た。
「違います。どんな生徒だろうと言葉の暴力は認める事は出来ません。だから私は篠原君に2度と暴力は使うなと約束をしました。つまり言葉の暴力を使った方もその約束が成されるべきだと言ってるのです。」
喧嘩両成敗や。
片方だけを悪いとする社会ばかりじゃないと子供達に教えてやりたい。
そうしなければ透のように社会なんかと見下す子供達が後を絶たない社会になってまう。