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嘘やろ!?
第21章 コミュ英
始めはJrの姉の話からだった。
Jrの2つ上の姉…。
彼女は中学では完全に不登校で高校進学すらしなかった。
「ハーフ専用のタレントプロダクションに所属しとるんです。」
小学校の子役時代には確かにテレビに出ていたらしい。
モデルなどもやってた。
だけど、その事が問題になった。
『タレントだから、卒業アルバムなどには、うちの子の写真を載せたくない。』
Jrの母親がそんな発言をした。
タレントだから、あの子は普通じゃない。
あっという間にそんな噂が広まった。
姉が学校へ行くと周りの子は壁を作る。
『タレントさんは忙しいんでしょ?』
その壁から不登校になった。
だけど姉がテレビに出れたのは子役時代まで…。
中学からはオーディションに全て落ちて仕事はせずにただの不登校。
学校側は姉を学校に通わせるように母親に伝える。
『黒人だからってイジメを受ける学校に通わせる事は出来ません。』
それが母親からの回答だった。
「そういう母親なんですよ。うちの子は特別な子なんだを全面に出す人なんです。」
坂口先生は父兄の悪口は言う訳にいかないからと微妙な顔で話をしてくれる。
Jrは姉と違いサッカー少年だった。
部活も当然サッカー部。
Jrはずば抜けた身体能力を発揮する。
「中学の1年の時です…。イタリアの名門チームから夏休みだけJrに子供チームの練習へ参加してみないかと言う話が来ました。」
そんなに凄かったんか?
少しJrに感心をする。
なら何故、高校はスポーツ推薦の進学をしなかった?
そんな疑問が湧いて来る。
「Jrはイタリアには行けませんでした。」
坂口先生の言葉に驚いた。