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嘘やろ!?
第21章 コミュ英
「何故です…?」
「理由の1つは他の父兄です。」
Jrが入ったサッカー部はいきなり全国大会に出場をした為にイタリアのチームの目に止まった。
『全国に行けたのはあの子1人の力じゃないでしょ?だからサッカー部全員にイタリアへ行く権利があるはずだ。』
それが父兄達の言い分だった。
もう1つの問題はJrがまだ日本国籍を取得していなかった為にJrがパスポートを取るには先にナイジェリアに行く必要があるという問題。
『うちにはそんな事をさせる経済力はありません。』
それがJrの母親の言葉…。
「Jrの父親は通訳の仕事をしていましたが、収入は安定をしておらず、母親が働きに出ている状況でしたから…。」
坂口先生が更に話しにくい顔をする。
イタリア行きを諦めたJr…。
そして2年の時。
「Jrは2度とサッカーが出来なくなりました。」
坂口先生はゆっくりとそう言った。
へ?
なんで?
イタリアまで行ける子やろ?
坂口先生の顔を馬鹿みたいに眺めてまう。
2年の大会…。
まだ大阪での大会…。
Jrに3人のマークが付いた。
チームメイトは誰もJrを助けない。
ただJrにボールを無理矢理に回す。
Jrにパスすりゃ勝てるんだろ?
そんな空気のチームでJrは孤独に闘った。
『そいつだけを止めろ!』
相手チームの監督の怒鳴り声に相手チームから3人が一斉にJrを襲った。
Jrはボールをキープして逃げようとした。
だけど1人がJrの足に躓いた。
「後は雪崩のように子供達がJrを地面に押し潰してました。」
坂口先生はその試合を観てたと言う。
中学生3人に押し潰されたJrの足は靭帯とアキレス腱を断裂する複雑骨折を起こした。