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嘘やろ!?
第21章 コミュ英
頭の中がグルグルと色んな事が駆け巡る。
そして最後に辿り着く結論は全て同じ答え…。
Jrが黒人じゃなかったら…。
もっと違う事になってたかも?
サッカーで目立つ事はなかったはず。
お父さんと普通に会話が出来たはず。
何をやっても黒人だからと言われるとJrが私に愚痴ってた意味を理解する。
フラフラで家に帰る。
「とにかく風呂を済ませろ…。」
透が渋い顔をする。
私の顔色だけで透には何があったかわかるみたい。
お風呂上がりのビール。
透の上に座ってのご飯…。
至れり尽くせりなのにため息が出る。
「説明をしろ…。」
透がふてくされるからJrの話を全てする。
「サッカーに変わるものってなんやろ?」
坂口先生が私に託した課題の答えを透に聞いた。
「放っとけ…。」
「なんでよ!?」
やっぱり透って冷たいと思う。
口を尖らせた私に透が嫌な顔をする。
「朱音にしても、その坂口って先生もクソガキを甘やかしてるだけやんけ。くだらなくて聞いてられん。」
「何がくだらないんや?」
「お前らはJrって奴が被害者有りきでしか考えてないやろ?そもそも、そこが間違いやねん。」
「でも…、被害者やん?」
「違うな。俺に言わせりゃ自業自得や。イタリア行きを自分だけが言われて調子に乗ったんやろ?俺はお前らとは違うんやって…。自分で俺は黒人なんやという態度でチームメイトの助けを拒否したから相手チームに潰されたんちゃうんか?」
そういう見方もあるのか?
悩んでまう。
「3人からマークされたらプロでも抜け出すのは難しいんや。だからノーマークのチームメイトに助けを求めんのが常套手段や。素直にそれをやらんかった奴を可哀想や言う方がおかしいねん。」
「けどさぁ…。」
「大体、父親の事もそうやろ?日本語が話されへんから父親が悪いってか?Jrは中学英語を習っとるんやろ?英会話なんか中学英語で充分やんけ。」
それは事実です…。
透の言葉を否定出来ない。