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嘘やろ!?
第21章 コミュ英



学園長が固まってる。


「楠木先生…?」


こういうジョークは通じない学園長…。


「ちょっと、学園長にお願いが…。」

「はい、なんでしょう?」


ニコニコとする仏様には、なんとなく何でも我儘が通るような勘違いをしてまう。


「シェルターに…、学生を連れて行く事は出来ますか?」


容易く許可が貰えると思ってた。

私の予想外に学園長が目を見開く。


「団体ですか?」

「いいえ、篠原君だけです…。」


Jrに不幸な子は自分だけじゃないと教えるにはシェルターが確実だと思った。

学園長が眉を顰める。


「まず、楠木先生…、シェルターの意味を理解されてますか?」


そんな質問をされるとは思ってなかった。


「避難をした子供達を保護する場所ですよね?」

「そう、保護。つまり、あの場所はある意味では存在をしない秘密の場所であるという事です…。」


学園長の言葉に自分の軽率な考えが間違いだった思い知らされる。


「ごめんなさい!」

「いえ…、それにね。あくまでも学園長として言わせて頂くならば、楠木先生の受け持つ学生は篠原君1人だけではないんですよ。」


学園長はかなり厳しい顔をする。

でも…、学園長…。

子供みたいな言い訳の言葉は言えない。


「篠原君の為に熱心な事は良い事です。ですが彼を助ける方法はクラス全体の為になる行為でなければならない。そのくらいは楠木先生なら充分におわかりですよね?」


今更の言葉に耳が痛かった。

1人だけを特別扱いには出来ない。

私にとって透は特別だったから、その特別をしてやれない罪悪感に堪え続ける自分が嫌になってた。

だからって…。

透にしてやれなかった特別をJrで行えればその償いになるかもというエゴが働いてしまった。


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