この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第21章 コミュ英
「申し訳ありません…。」
「いいんです。楠木先生は時々、熱くなって自分を見失う癖がある。ですが、教師としてその情熱は不可欠なもので大切にして欲しいのです。」
教師として…。
学園長を尊敬する。
ほんまに凄い人や…。
この若さで学園長はほんまに厳しい仕事なのに常に学園全体を思いやる心の広さを持ってる。
いつか、この人に認めて貰える教師になりたいとか考えてまう。
学園長に頭を下げた後はただひたすら考える。
クラス全体の役に立つ指導方法…。
初めての授業に向かった。
コミュ英…。
いわゆるコミュニケーション英語。
実戦に役立つ英語の概念から近年の授業では随分と内容が変わりつつある分野。
「さて、今日からは授業です。質問などがある時は遠慮なく先生に聞いて下さい。」
「先生の胸、何カップ?」
下品な笑い声がする。
毎年聞かれる質問だから、そろそろウンザリとしてまう。
「前橋君やんね?今の質問を英語に直してくれる?」
「はぁ?そんなん無理やん。」
「無理じゃないよ。基本英会話が出来る子はコミュ英は比較的簡単な授業なんやから。」
「英会話自体、無理無理!」
「英会話は中学英語の知識があれば充分に出来る事だよ?」
生徒達が沈黙する。
「始めから出来ないと思わずに自分が持つ知識の中で頑張ってみる。それが高校生活には尤も重要な事です。だから、コミュ英では赤点を取らないように会話は出来るだけ英会話で進めて行きたいと思います。」
クラス全体の為になり、尚且つJrの為になるやり方…。
私は英語教員である以上、耳に英語を慣らすを今年はいつも以上に徹底しようと考えた。