この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第22章 最先端研究室
なのに透が固まってた。
目を見開いて固まってる。
そんなに透が気になる事を言うたか?
透の頬に手で触れて
「透…?」
と聞いてみる。
透が私から目を逸らした。
「ピルとか要らんから…。」
透の声が明らかに同様してる。
「透?どないした?」
「何もない。やっぱ疲れとる。萎えた。寝るわ。」
一気にそれだけを言うと透はベッドの布団に潜るようにして寝てもうた。
嘘やろ?
なんやねん?
いつも猿やんけ?
避妊したる言うただけで、その反応はなんなんや!
結婚を迫ったならまだしも…。
毎回、きっちりゴムで避妊するくせに…。
私が避妊するのは気に入らんのか?
信用がないからか?
透の母親がゴムに穴開けるような人やったから…。
私の避妊には信用がないって意味か!?
背中を向けて寝る透に泣きそうになる。
別にピル飲んでゴムすればええやん…。
はしたなく乱れたパジャマを着直して透に寄り添って眠った。
翌日は普通の透やった。
久しぶりに2人で京都までドライブを楽しみ、お寺巡りなどをして楽しんだ。
「透、お漬け物買うて帰る。」
「ビールのアテか?」
「うん、そう。」
普通に透は私が欲しいと言えば買うてくれる。
「ビールばっかりやと太んぞ。」
私の頭にキスをして嫌味を言うのもいつも通り。
「やかましい…、透が帰らん日はダイエットしとる。」
「そうか。」
笑ってくれる透が好き…。
それでも透が時々怖い。
簡単に人を突き放せる透やから…。
愛されとるとわかってても失う恐怖に支配される。
もう…、あんな長い夜は2度とごめんや。
だからお寺で祈り続ける。
透だけを下さい。
その願い以外は必要なかった。