この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第3章 個人ファイル
透の事を思い出すたびに身体が火照ってお腹の中が疼いてまうわ。
気持ちを治める為にシャワーを浴びる。
パジャマに着替えてベッドに潜り込む。
明日、どんな顔をして透と会えばええの?
泣きたい気分のまま、疲れ切った身体にはすぐに睡魔が襲ってた。
朝からずっと雨やった。
梅雨が近いとか思う。
「あー…、静かにして…。先週も連絡をしたように明日からは三者面談の為に半日授業です。以上…。」
無事に終礼を済ませる。
少し急いで教室を出た。
透は相変わらずで1日中、眠ってた。
ほんまにあれは透やったんか?
そう思いたくなるほど透は眠り続け、私とは話すどころか目すら合わさんかった。
それはそれで助かった。
お陰で英語の授業はいつも通りに淡々と進行をする事が出来た。
職員室でノートパソコンの起動をする。
中に入ってる学生の個人ファイルを開く。
吉岡 透…。
身長182cm 体重64kg
50m…6秒台!?
握力…61kg!?
化け物か!?
テスト平均は92点…。
好きな科目は英語?
毎回、ほぼ満点に近い数値を叩き出してる。
いつ勉強をしとんねん?
そんな疑問が湧く。
透の部屋には普段から勉強をしとるような痕跡はなかった。
学業的個人情報の次には家族や健康についての個人情報が別枠でファイルされてる。
それを開いてみる。
母親は無し…。
父親のみ。
兄弟も無し…。
これといって健康に問題も無し。
中学は普通の公立を卒業してる。
大した情報は何もない。
私が知りたい透は学校の記録の中には居ない。
ため息が出た。
「吉岡ですか?アイツ…、なんかやりましたか?」
化学教員の中野先生が私のパソコンを覗き込む。
ノートパソコンだから見るなとばかりに閉じてやる。
例え同じ教師でも個人情報は個人情報だ。