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嘘やろ!?
第3章 個人ファイル
そもそも、教員同士でも普段はあまり話をしないのだから興味本位で変に話し掛けられても迷惑に感じる。
「いえ、別に問題はありません。三者面談の前に確認をしたかっただけです。」
一応、無難に答えてみる。
30代の中野先生は妙に先輩風を吹かすタイプの男性教員。
自分はモテるという勘違いをしてる男だと音楽教員で私と同期の女性教師が馬鹿にしてる教師だ。
「いや、吉岡なら僕が1年の時に担任だったんですよ。アイツ…、中学ん時は何かと問題児やったらしいから高校では問題を起こせば退学だと脅してやったんです。」
中野先生がイヤな笑いを浮かべて話す。
脅した?
自分の生徒をですか?
嫌悪感と吐き気がする。
「そしたら吉岡の奴、その日から毎日、毎日寝るだけの奴になりましてね。まぁ、成績はいいから問題を起こさんならと、そのまま大人しく寝かせる事にしたんですわ。」
透が今、大人しく寝てるのは自分の手柄だとばかりに中野先生が胸を張る。
このクソ教師っ!
怒りが湧く。
「中学の時の問題とは?」
「さぁ、詳しくは聞いてませんから…。」
中野先生は全く興味がないように、それだけを言うと私の前から立ち去った。
そんな中野先生を同じ教師として最低だと思う。
1年の時の担任だったなら透の中学の時の担任に問い合わせるとか出来たはずやのに…。
いや、それを言うなら私だって最低なのかも…。
2年になって受け持ちになった透を一度も起こそうとはしなかった。
「吉岡なら寝かせておけばええらしいよ。」
クラスの子にそう言われて、それが透の為になるならと放ったらかしにして透を寝かせ続けた。