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嘘やろ!?
第23章 監禁
時間の感覚がなかった。
ただ遼さんのキスにうっとりとする。
少し透のキスに似てるから…。
背中を撫でながら優しさだけが伝わるキス…。
唾液が溢れそうなくらいのキス…。
ゆっくりと遼さんの唇が光る糸を引いて離れてく。
喉を鳴らして唾液を飲み込む。
「透の事は忘れろ…。」
私を優しく抱きしめて遼さんが言う。
「何で…?何でなん?」
止まってた涙がまた溢れ出す。
「俺が朱音の為に何でもしたる。だから透だけは諦めろ…。」
遼さんの絞り出すような声に胸が痛くなる。
嫌や…。
遼さんは嫌いやない。
でも、透がええねん。
透やないと嫌やねん。
お願いやから邪魔せんといて…。
例え遼さんでも私から透を取らんといて…。
ただ遼さんの胸を叩きながら泣き続ける。
遼さんは黙って私の髪を撫で続けてた。
「透に…、透に何があったか教えてや。」
「それは出来んな。言うたら朱音はますますムキになって透を忘れられへんようになるやろ?」
私の髪にキスをして遼さんが言う。
まるっきり透と同じ仕草…。
遼さんが居るだけで透を忘れるとか無理やん!
そう思って遼さんを睨みつける。
遼さんはただ笑ってる。
「なぁ…、朱音。お前も運命とかくだらん事を信じるタイプか?」
「運命?」
「結局は運命なんて結果に対してこじつける為の言葉でしかない。結婚して結ばれたら運命の人やったとか離婚して別れたら、それが運命やったんやと自己満足する為に運命にこじつける。」
遼さんの言いたい事がわからん…。
透にもそういう時があった。
科学的で透の言いたい事が理解してやれない時が平凡な私には辛かった。
遼さんも科学的な人か?
運命の何があかんの?
透を運命の人や思ったらあかんかったんか?
意味がわからん話に混乱する。