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嘘やろ!?
第23章 監禁



遼さんがまた私の髪を撫でる。


「触らんといてっ!」

「とりあえず飯くらい食えや。」

「要らん!放っといて!」

「朱音…、落ち着け…、そうやって泣いてるうちはこの部屋からは出さんからな。」


遼さんから監禁宣言を受けた。


「嫌やや。透を探しに行く…。」

「それは出来ん。」

「何でよ!?私の為なら何でもしたるて遼さんが言うたやん!?だったら透に会わせてや!透とちゃんと話をしたいんや。私には透にちゃんと伝えなあかん事があるんや。」


まだ言えてない言葉…。

透を愛してる…。

言わへんかったから透を失った。

だから言うたら透を取り戻せると思った。


「透が2度と朱音には会う気がない言うたとしてもか?」


遼さんの言葉が槍のように胸に刺さる。


「透が…、何で…?」


透は私は悪くない言うてた。

透は自分が悪いと自分を責める言い方やった。


「お願いやから…、透に何があったか教えてや。」


遼さんに縋って強請るしかない。


「朱音が冷静になれたら教えたる。今は言うたら朱音がおかしなるだけや。朱音が壊れるのを俺は黙って見るつもりはないぞ。」


遼さんが抱きしめる。

医者やから?

私が壊れて佳奈子みたいになるのを恐れてる?

一度、壊れた心は専門の医者でも治せない。


「俺、仕事やから行くわ。」


遼さんが部屋を出て行く。

今のうちにと遼さんの服を着てこの部屋から逃げようとする。

嘘やろ…?

遼さんの服がまるごとなかった。

いつもならダブルベッドの隣りにあるはずの洋服掛けが無くなってる。

小さなクローゼットを開けてみる。

そこにはプラスチック製の引き出しがあり遼さんのトランクスしかなかった。


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