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嘘やろ!?
第23章 監禁
ああ…。
人を失った傷は人肌を感じると早く癒されるんやな。
透の温もりを失くしたのに遼さんの温もりを感じるから暖かくて普通に眠れる。
透が他の女を抱いてる夢を見る。
透っ!
抱きしめられて子守り唄が聞こえる。
「しーっ…、大丈夫や。」
幻の透が砕けて消える。
現実の遼さんが居る。
狡いよな…。
心のどこかでもう透には疲れたからええわとか思ってる。
そんなんやから透に捨てられて当たり前やねん。
隆也の時のように開き直ってまう。
だって…。
遼さんが居るやん…。
こんな汚くて狡い自分を透に見られるくらいなら、そんな私を愛したる言うてる遼さんに逃げる気持ちが湧いてた。
3日目…。
「飯や。」
遼さんが当たり前に私の頭にキスをする。
もう身体を隠すのもあほらしい。
「なぁ…、透の事、教えてや。」
「もう少ししたらな…。」
「もう大丈夫やで?」
「朱音が学校に行って元の生活に戻ったんを確認したら教えたる。」
ただ遼さんが笑う。
だから遼さんに抱きつく。
「なら…、一緒に居ってや。」
「朱音の望みは何でも聞いたる。」
顔を撫でた遼さんにキスをされる。
ああ…、キス…、上手いな。
遼さんが味わうように口の中の全てを舐められて吸い上げられる。
身体が遼さんと密着して熱くなる。
それでも遼さんはそれ以上はしない。
透は遼さんが私に本気とか言うてたっけな。
本気やから私が遼さんに愛してる言うまで待つつもりなんか?
また笑ってた。
透に言うてやれんかった言葉は2度と誰にも言うつもりないよ。
だから…、ごめんな。
遼さん…。
遼さんの温もりを利用するだけに成り下がってた。