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嘘やろ!?
第24章 大学病院
そして薄情な身体はお腹が空く。
明日も学校だからご飯は必要です。
私は教師やから…。
言い訳をして遼さんの店に行く。
「いらっしゃいませ…。」
知らんお兄さんにそう言われる。
髪をジェルか何かで後ろに掻き上げた髪型。
銀縁の眼鏡を掛けた銀行マン風のイケメン君。
だけどそれは透ではなく、透に似せた雰囲気のイケメン君。
「大(だい)!それは客ちゃう。俺の女や。」
カウンターの向こうから遼さんが言う。
ギンッと痛い視線を他の女性客から思いっきり浴びてまう。
久しぶりの店で遼さんがそういう人だと思い出す。
しかも、俺の女宣言…。
止めてや!
そう叫びそうになる私を厨房に遼さんが呼ぶ。
「女やとか言うたら店の客が減るで!」
「別に構わん。固定客だけで店はやってける。」
透と行ったレストランのシェフなどの固定客が居るから確かに経営自体は大丈夫。
遼さんが自信がある男の顔をする。
透に似た顔…。
だから顔を伏せて俯いてまう。
「新しい人、雇たんや。」
「大輝(だいき)の事か?透が辞めたからな。」
「透は忙しいなら手伝う言うてたで…。」
「朱音にはそういう言い方したんか?」
遼さんの顔を見る。
遼さんは眉間に皺を寄せて険しい顔をしてる。
「何が…、あったん?透に何があったん?」
どうしても知りたいと思う。
遼さんが私を抱きしめる。
「千里ちゃんは朱音の友人やな?」
「そうや。」
「なら、年末に慎也と何があったか聞いてるか?」
「千里が慎也さんと付き合ういう話ですか?」
「ああ…、そうや。慎也は慎也なりに真剣やったみたいやから俺は何も言うつもりはなかったんや。」
慎也さんに対して、その気になる千里には奥さんが居る事を隠してた慎也さんを遼さんは叱った。