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第24章 大学病院

奥さんの事を千里に説明をした上で慎也さんは千里と不倫関係の道を選んだ。

後は慎也さんと千里の問題だと遼さんは言う。

なのに…。


「その事で透が慎也にキレたんや。」

「なんで透が？」

「慎也には子供が居るやろ？自分らの勝手の為に何もわからん子供を捨てる気かとキレやがった。」


ご飯を作りながら遼さんが話をしてくれる。


「それで、透は？」

「それだけや。慎也とは働けん言うて店を飛び出したままや。」


慎也さんは子供はちゃんと引き取ってちゃんとするつもりやとは言うたらしい。

何度も慎也さんは透に謝りにも行った。

ただ透だけが慎也さんを許さずに拒否した。

理由は慎也さんが中途半端だから…。

公平君や渚君はバーテンダーとして学び、カウンターに入ってカクテルを作る練習などしてる。

方や慎也さんはあくまでもＢａｒはアルバイト感覚で働いてる。

だからフロアにしか居ない。


「真面目に再就職もしてない慎也の言葉を透は信用が出来んかった。ましてや千里ちゃんは朱音の友達やからな。透は慎也の行動に納得が出来んかったちゅうだけの事や。その透が今更店を手伝うわけないわ。」


出来上がったご飯を私の前に置いて食えと遼さんが言うて来る。

一度、こう決めたら透は戻らない。

遼さんの目がその事実を私に念押しする。

いくら私が透に会いたい言うても透はもう戻らない。


「アイツはガキやからな…。」


苦笑いをする遼さんだけど私は笑えなかった。


「その事と私の前から消えた事は関係あるの？」


遼さんに探りを入れる。


「教えたれへーん。」


茶化すように遼さんが言う。

ムカつく！

でも、遼さんしか透の居場所がわからんという状況やから我慢するしかない。