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嘘やろ!?
第24章 大学病院
何があかんの?
世の中、そんなもんやん。
遠距離よりも近くの人とか言うやん。
車を運転する遼さんが欠伸をした。
「ごめん、しんどいなら帰ろか?遼さんは仕事明けで疲れとるやろ?」
「朱音との貴重な時間に寝れてられるか。」
ニヤリとする遼さんにドキドキとかする。
「私なんか退屈なだけやろ?」
「朱音がか?可愛いしおもろいから退屈はせん。」
やばいくらいに顔が赤くなる。
車は淡路島を走り少しだけ散歩しようと遼さんが浜辺の近くに車を停める。
「海岸でも歩くか?」
「ヒールやで?」
「脱げばええやん。」
「砂だらけになるわ。」
「汚れたら、適当なホテルに連れてったる。この辺りは温泉のホテルあるしな。」
駐車場から海を眺めてると遼さんが抱きしめて来る。
無理に私を抱こうとはしない遼さんだけど、スキンシップはやたらと多い。
「まだ覚悟が出来へんか?」
ゆっくりと耳にキスをして舐めながら遼さんが囁く。
身体だけがビクリと反応をする。
そして遼さんに抱かれると思うと何故か身体が強ばってしまう。
「大丈夫や。悪いけどレイプする趣味はない。女の身体は男の身体の形を覚える仕組みになっとるからな。レイプしたって俺を朱音が覚えへんかったら気持ち良くないだけや。」
私の反応を見抜いてる。
「そんなんちゃう…。」
自分から遼さんの手を握ってた。
透を忘れようとしてる自分が居る。
透を忘れたくない自分が居る。
その辛さから逃げたくて遼さんに頼る卑怯な自分が居る。
なによりも…。
遼さんに愛されて溺れる自分が怖い…。
千里みたいには生きられない。
惚れっぽくて、すぐに溺れる千里。
ここで遼さんに惚れたら、そんな風にはなりたくないと言う今までの自分を否定する気がする。