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嘘やろ!?
第25章 逃亡
ハーフ率の高さは事実…。
出生率の段階で30人に1人がハーフというデータからハーフを特別視する教育はすべきでないという指導が出ている。
学校に通う以上は普通の子と同じ扱いをしろ。
私は真っ直ぐにそれを実行するだけだ。
「オカン…、俺の将来は俺が決める。場合によってはオトンのところに行く。」
「アンタはお父さんと会話出来へんやろ?」
「出来るんや。この前、少し話せた。だから大丈夫やから俺よりも姉ちゃんと話をしてくれ。」
Jrの具体的な進路は未決定。
それでもJrは真っ直ぐに自分の将来に進み出す。
子供達は大丈夫…。
次は私の番…。
日曜日に来てくれと遼さんから連絡が来た。
遼さんと透と私の三者面談…。
日曜日には私は進路を決める。
日曜日の朝、遼さんの部屋の扉を開く私が居た。
透が先に来てた。
遼さんが私に笑いかける。
「始めよか?まあ、大した事やないがな。」
遼さんが病院から届いた結果の封筒をハサミで切って開けていく。
静かな中で紙が切られる音だけが響く。
ジョキジョキとハサミの音がするたびに透が身を切られるように顔を歪めて俯く。
大丈夫…。
透の背中を撫でてやる。
大丈夫やからね。
中から取り出した書類を遼さんがしばらく眺めてた。
「99.9%親子やな。」
ああ、やっぱり。
私はそう思うだけ…。
遼さんも表情を変えない。
透だけが露骨にホッとした顔をする。
「残りの0.1%を透がどう思うかは俺は知らん。けどな…、透。」
遼さんがもう1つ別の封筒を取り出して透の前に突き付ける。
「俺はお前の親父や。だからお前を愛してる。間違いなく俺の子やって愛情を感じてお前と暮らして来た。孤児やった俺の唯一の家族なんや。」
遼さんが透を懐かしそうに見る。
遼さんには小さな時のままの透が見えてる。