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嘘やろ!?
第25章 逃亡



わかっとる。

そもそも全部、私が悪い。

そう思って遼さんを見た。

ゆっくりと遼さんの頬を撫でる。

遼さんはまだ透に怒ってる。


「馬鹿息子…、帰って来たらしばいたる。」


私の為にそう言う。

お願いやから、これ以上は責めんといて…。

あの子をこれ以上は責めんといて…。


「朱音…。愛してる…。」


それもわかっとる。

でも…、私はアンタに愛される価値なんかないよ?

アンタには惚れとる。

惚れっぽい言われても仕方がないわ。

だって、それだけええ男やもん。

父親として人としてアンタはええ男やと思う。

けどな…。

遼さん。

遼さんも間違ってる。

遼さんが私に必死なんは私が泣くからや。

私が泣くたびに遼さんが私を愛してると思い込む。

常に人の為にと考える遼さん。

透はほんまに遼さんにそっくりや。

だから佳奈子の為に馬鹿な事をした。

それは遼さんも同じなんや。

もとあと言えば毎回私が遼さんの前で泣いたからあかんねん。

私が遼さんばかりに頼ろうとしたからあかんねん。


「今日は帰るわ。」


これ以上は遼さんに頼ってはいけない。

私は私の道を進む。

その道に居た人が私の運命の人になる。

私は自分の進路に向かって進み出していた。





通勤電車に乗る。

ラッシュやから混雑する。

いつもドア側を確保する。

誰かが背中に当たる。

中年のサラリーマン…。

体臭がして臭い。

嫌やな。

顔を背けた瞬間、ドアに誰かの手が張り付く。

サラリーマンの体臭が消える。

見覚えのある手…。

少し振り返って見上げる。

綺麗な顔のイケメン君が私を庇うようにしてドアに手を付いてくれとる。

学校まで4駅やから僅か15分。

黙ったままイケメン君に守られて通勤する。


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