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嘘やろ!?
第26章 子守り唄



翌日、学園長は午後から学園に来ると聞いた。

私は本来の勤務で出勤をする。


「無断欠勤とか…、迷惑なだけですな。」


中野先生の嫌味を聞き続ける午前中を過ごす。

午後になり学園長室の扉を叩く。


「どうぞ。」


扉の向こうからくぐもった声がする。


「失礼します。」


学園長室へ入る。

仏様が阿修羅になってる…。


「申し訳ございませんでした。」


頭をしっかりと下げる。


「何があったか説明をするつもりはありますか?」


夏休みとはいえ病欠と嘘を付き、無断欠勤をした私には言い訳をする余地はない。

黙って学園長に辞表を出す。


「これは認める訳にはいきません。」

「学園長の許しが頂けるのであれば、本年度は務め上げる所存です。ですが来年度からは教員をするつもりはございません。」

「だから…、何があったのですか?お父様の楠木先生もご存知なのですか?」

「父には、これから話すつもりです。」

「楠木先生…。」


これ以上は学園長と話すつもりはなかった。

学園を辞める事は透と決めた事。

辞めない限り透への私の後ろめたさはずっとついて周り消える事はない。

罪を犯した事実を私は誤魔化し続けた。

その罪悪感から透へ伝えるべき言葉を意地で誤魔化し続ける事になった。

生徒を愛した。

教師として…。

女として…。

自分の罪の責任を取る。


「今まで、ありがとうございました。ずっと教師として学園長を尊敬してました。本当にありがとうございました。」


学園長が私に手を差し伸べてくれる。

学園長と握手を交わして学園長室を出た。

残りの学園生活は精一杯子供達の為に時間を使おうと思った。

透にはまた我慢をさせる事になるけど春までの事だから…。

私は学園を去る決意をした。


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