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嘘やろ!?
第26章 子守り唄



遼さんは今…。

介護施設に居る。

若年性認知症…。

まさかの入所だった。

嘘やろ…!?

私も透も遼さんにそう詰め寄った。


「嘘言うてもしゃあないやろ?これはほんまや。進行がどのくらい速いかはわからんけど間違いなく、最後は透も朱音も忘れてまう。だから…、施設はもう手配済みやから俺がやばい思たら入れてくれや。」


私が学校を辞めてすぐに遼さんから、そんな話を聞かされた。

遼さんの記憶が少しでも大丈夫なうちにと透との結婚を早めた。

透とのDNA鑑定の少し前に自分自身で自分の記憶が飛ぶ時間ある事に気付いた遼さんは検査を受けた。

認知症の認定を受けた遼さんは透にしてやれる全てをしてやろうと決めてDNA鑑定を決意した。

私に対しては自分はいずれ忘れてまう感情だからと愛情を見せてくれた。

私が透を選んだから私に透の全てを託すと決めてくれた遼さんは少しずつ記憶を失いながら私と透を見守り続けてた。

それも限界が来てまう。

今年になって遼さんが迷子になってもうた。

店は去年、遼さんが自分で閉めた。

公平君も渚君も自分の店を持ち独立すると決まったから…。

なのに遼さんは店に行かなければと思い込み、店は同じマンションなのに店に行く道がわからんと何時間も遼さんは夜の街を彷徨い歩き警察に保護された。

透はまだ学生やから私が遼さんの面倒を見ると言うたけど、それは遼さんに拒否される。


「透を頼む…。」


最後の記憶だけで遼さんは何度も私にそう言うた。

そして遼さんが介護施設に入所した。

月に一度の面会は透と欠かす事なく行ってる。

けど遼さんの病気の進行は入所してから一気に加速されて私や透を忘れてまう日が増えてもうた。


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