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嘘やろ!?
第4章 三者面談



三者面談が始まった。

基本的には保護者の都合に合わせてはいるけれど、都合の必要が無い子は出席番号順に適当に組み込まれるスケジュール。

火曜日から金曜日までの僅か4日間で28人分の三者面談を執り行う。

1日7人ペース…、持ち時間は1人20分のはずやのに毎日3時間以上はかかってまう。

一番バッターはクラスで一番ゲーマーな松野君…。

透とは違う意味で大人しいとは言える。

1日中、スマホでゲームの世界に入り、その世界で一番になるんやと言うてはゲームをしている子。

ここのお母さんも一番がお好きらしい。

授業参観や三者面談には必ず一番に現れるお母さん。

だったら自分の子供の成績も頑張って一番になるようにさせてよ。

そう言いたくなる。


「うちの敦(しゅん)君はちょっと芸術的な気質なんですよ。」

「はぁ…。」


ゲーマーと芸術の間に存在する遥かな隔たりを感じていないお母さん…。

当の敦君はイヤホンを付けて三者面談中やというのにスマホでゲームに夢中と来とる。


「ですから、高校卒業後はいきなり就職よりも、そういう芸術的な学校へ上がらせようかと…。」

「まさか芸大へですか?」


そりゃ、無茶やで!

芸大かて大学である以上は最低限の成績が必要。

ましてや、うちの学園からは推薦を取れる大学自体がほとんどないのに今から芸大に受験させてくれとか絶対に無理無理!


「いえね、敦君には行きたい希望の専門学校があるらしいんですよ。なんか新規の学校で新進気鋭の方が立ち上げたとか言う学校らしいんです。」

「新進気鋭ですか?」


どんな専門学校やねん?


「ほら、敦君…、なんて名前の学校やった?」

「水原アニメスクール…。」


まだゲーム中の敦君…、一応、こちらの話は聞いてはいたらしい。

てか、アニメスクール?

それ、ほんまに専門学校か?

そんな学校の名前は聞いた事がないぞ。


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