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嘘やろ!?
第4章 三者面談
まさか個人経営の塾みたいな学校ちゃうやろな?
そもそも、それは本当に芸術的な学校なんか?
いろいろとツッコミどころは多々ある中、あまり長引く訳にもいかない。
「わかりました。一応、こちらでも、その学校についてを調べて願書の流れなどの確認をします。最終決定は2学期の三者面談で致しますので、その学校を目標に頑張って下さい。」
そう言って、なんとかこの状況を締め括る。
大学進学校とは違うから進路の話は手っ取り早い。
よほどの難関な専門学校を志望しない限りは来る者拒まずの専門学校の場合、願書を出してお金を払えばすんなりと生徒達を受け入れてくれる。
この学園に子供を通わせた以上は保護者もそうなる可能性を初めからわかってる。
問題は、未だに進路未定の親子だ。
木曜日の沖田さん親子…。
彼女は毎日、自分のメイクに忙しい女の子。
「そんで、アンタは高校を出たら何をするつもりなんよ?」
「えーっ…、まだ考えてないしーっ…。」
「だったら就職で先生に言うときいや。」
「えーっ…、就職とかいややしーっ…。」
娘と母親が揉めている。
母親の方はメイクどころか髪にブラシすら入れていないような母親。
てか、三者面談前に進路を話し合って決めておけと私は言うたはずや。
こういう親子がやたら時間を使ってくれる。
「すみません、次の生徒さんが待ってますから、夏休み中にでも、もう一度、お子さんとしっかりと将来についての話し合いをして貰えますか?」
とにかく、こういう親子は急かすに限る。
「ほら、見てみ。アンタのせいでお母さんまで先生に怒られたやん。」
「えーっ…、私のせいじゃないしーっ…。」
もう、親子漫才はええから帰ってくれ。
眉間に皺を寄せて、ため息が出た。