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嘘やろ!?
第5章 Barのマスター



学校での透の周りには常に女の子がキャーキャーと取り巻いた。

そんな中学生活…。

ちょっとムカつくし…。

その気になれば今だって女には不自由をしない透なんやと理解をすると腹が立つ。

不機嫌なる私とは正反対に遼さんの方はご機嫌になる。


「俺に似たんやから、モテるのは当然やな。」


金髪を掻き上げてセクシーな顔で私にウィンクをして来る。

この人って…、父親として最低な人や!

モテる透へのムカつきは遼さんへも向けてまう。

遼さんはただニヤニヤとして私を見てる。


「そやけどな。3年生の2学期から、その女の子らがおかしくなって来たんや。」


ここで遼さんの目付きが変わった。

成績優秀な透は既に学校から遼さんが行った公立高校には間違いなく行けると言われてた。

女の子達にはレベルが違い過ぎて行けない高校。

3学期には受験があり、卒業をすれば透と離れ離れになってまう。

次々と女の子達は争うようにして透に告白を始めた。

女の子達は女の子達なりに真剣な思いだった。

その女の子全員に透は


『俺が惚れるような女だけ付き合ってやる。』


と答えたらしい。

透自身は付き合うとは答えていない。

それでも女の子達は透に対して必死になる。

透を自分のものにしたいと願う女の子達の間で争いが加熱していき、それが悪循環を引き起こす。

少しでも透の気を引こうと透にキスを迫ったり、胸を触らせたりする子が出て来るようになる。

透はただ笑いながら、馬鹿にするように冷ややかにしか女の子達を見ない。

自分が透に一番に愛されたいと思う女の子達だけがどんどんとムキになる。

ついに、思い詰めた女の子の1人が自殺までするという事件を起こした。


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