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嘘やろ!?
第6章 デート
約束通りにパジャマも買ってくれてパンプスまでも買ってくれる。
「買い過ぎやで…。」
「まだ足らんくらいや。」
頬にキスをしてくれて透が飛びっきりの笑顔で笑う。
私が大好きな綺麗な笑顔。
だから透には逆らえない。
一通りの買い物を済ませると透が再び車で高速に乗って走り出す。
てっきり大阪方面に帰ると思うてた。
「急がんとやばいな。」
「何が?」
「昼飯に…。」
「どこまで行く気よ?」
「淡路島。」
透がニヤリと笑った。
呆れてまう。
ほんまに今日はデートをする気や。
明石海峡大橋のサービスエリアで透が車を停めた。
「着替えて来いや。服とか汚れたままは気持ちが悪いやろ?」
透が買ってくれた下着と服を渡された。
トイレで着替えて化粧直しをする。
鏡の中には透好みになった自分が居て少し嬉しいとか思ってまう。
透はほんまに若いから私が変に若作りをしてると思われへんかな?
そんな不安を感じてトイレから出た。
自販機の前で缶コーヒーを飲む透が知らない女の子2人と話をしているのが見えた。
こんな場所に知り合い?
お店のお客とか?
透に声が掛けられずにそのまま立ち竦んでまう。
女の子達は多分大学生くらいの子。
若さでキャーキャーと声を上げて透と楽しそうに話をしてる。
このまま立ち去る方がええ?
透に背中を向けようとした瞬間。
「朱音!行くぞ。」
透が私に声を掛けて来る。
嘘やろ!?あかんやろ!?
私との関係を世間にバラす気かい!?
焦って逃げようとしたら透が私の肩を抱く。
「どこに行くつもりや?」
透が顔を顰めて不機嫌な声を出す。
「だって…、知り合いやろ?」
女の子達が口を尖らせて私を見てる。
透の相手としては私がオバハンやからか?
私がカッコいい透には似合わん女なんは自分が一番ようわかってるよ。
自分に自信がなくて俯いた。