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嘘やろ!?
第6章 デート



レストランでは透が勝手に注文をする。


「ウニしゃぶ。」

「ウニしゃぶ?」

「まぁ、見ててみ。」


透がニヤニヤとする。

テーブルの上に黄金色のスープが入った鍋と串刺しにされた刺身が並べられる。


「なんやこれ!?」

「ウニを溶かしたスープで新鮮な鯛の刺身をしゃぶしゃぶにして食うんや。間違いなく絶品やで…。前に親父らと来た事があんねん。」

「遼さん達と?」

「要するにうちの店の慰安旅行や。」


子供みたいに透が嬉しそうな顔をしてそんな話をしてくれる。

そういう時の透からは、ほんまに遼さんの事が好きなんやと感じる。

ただ透も今はまだ遼さんには素直になれないだけ…。

私が簡単には透に素直になれないのと同じ。

遼さんが透にとっては大好きなお父さんなのが今も昔も変わっていないんだと感じると安心をする。

穏やかな気持ちで透とご機嫌のランチ。

ウニしゃぶ…。

嘘やろ!?

マジか!?

これってほんまに超絶品やん!

鯛が新鮮でコリコリの食感。

そこに甘いウニの深い味…。


「締めのウニ雑炊が病みつきになるで。」


透にそんな事を教えて貰う。

透とは争うようにしてウニしゃぶと雑炊を食べた。

帰りに透が土産物を買うと言い出す。

それは大量のドレッシング…。


「玉ねぎドレッシング?」

「店の料理に使ってるんや。野菜嫌いな親父もこのドレッシングなら野菜を食いよるし…。」


ダンボールケースでドレッシングの大人買いをする透に笑ってしまった。


「朱音は笑ってるのが一番可愛いな。」


頭にキスを落とされた。

人目をはばからない透。

私が透の恋人なんだと世間の人に見せつける。


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