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嘘やろ!?
第6章 デート



華美な服装は良しとされない教職員という職場の中でのちょっとしたファッションはなかなか難しい。


「落ち着いてるのに袖の可愛さがポイントやんね?」


沖田さんが目を輝かせてる。

朝からこんなに、はつらつとした顔を見せる沖田さんを初めて見た。

いつもは鏡を眺めて前髪を弄ったり、付けまつ毛を気にしてしかめっ面をする沖田さんしか私は知らんかった。


「なぁ、沖田さん…、もしかしてメイクとかファッションとか結構、好きなんか?」


担任になって初めて沖田さんと個人的な話をする。


「好きっていうか…、カッコ悪いのは嫌やん?タダでさえうちはオカンに似てブスやのに、もっとブスになるって最悪やん。先生みたいに美人なら別やけど。」


沖田さんから初めて黄色い声以外のしっかりとした言葉を聞いて少し驚いた。


「なら、ファッション関係の専門学校でちゃんとした勉強をする気はないの?」

「あー…、無理ぃー。うち、貧乏やしーっ…。」


真面目な話をすると、いつもの黄色くて軽い口調の沖田さんに戻ってまう。

なるほど…。

夢はあっても親から現実を言われる年齢の高校生は夢を見る事を諦めてしまう子が多い。

そして、社会に出てからその事で後悔をする。

あの時にもっと勉強をしておけば良かったと…。

私の同級生にもそんな子が何人かおる。

千里もそうだ。

大学でとにかく遊ぶ事を選び資格を一切取らずに地味な会社に就職をした千里…。


「いい男を見つけて結婚をしたら終わりやもん。」


と始めは居直ってたが最近は


「もっと色々な資格を取って会社でカッコいい仕事が出来る女じゃないと最後はお局様になるのかな?」


と不安な顔をするようになった。


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