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嘘やろ!?
第7章 妖怪退治
てっきり日曜日は休みなんやと思ってた。
そやけど、日曜日も仕事なのだとすれば透は私と過ごしてから私を家まで送り、その後で店に出てたんやと驚いてまう。
必ず日曜日の夜の決まった時間に私を家まで送ってくれる透。
次の日には学校があるからやと思ってたんは私だけ…。
透は店に出る時間までに私を家に帰してただけだ。
つまり透は毎回、寝不足になるのを覚悟の上で私との時間を作る努力をしてくれてた。
だから私にも5分でもいいから時間を作る努力をしてくれと言ったのだ。
今更になって、そんな透の気持ちを理解しても…。
最悪や…。
そんな透の前に今から男連れで行くとか無理や…。
「千里、やっぱり私は帰るわ。」
逃げたくなった私はBarへの階段を上がる千里にそう言うた。
「1杯くらいいいじゃん?」
ネズミ男が私の背中を押す。
その後に塗り壁が居るから私はじりじりと階段の上へと追いやられる。
マジ…。
最悪や…。
消えろ!妖怪!
今すぐ陰陽師になりたいとか願う。
そんな夢みたいな願いは叶う訳がない。
スタスタと千里が店に入ってく。
「マスター、ボックス席でええ?」
千里が遼さんに確認をする。
テーブル席は4人掛け。
塗り壁が居るから多分、テーブルだと狭く感じる。
店の角にあるL型ソファーのボックス席なら6人掛けでゆったりと座れる。
遼さんが千里に指で丸を作ってOKを出した。
まずは塗り壁が座り千里が座る。
千里の隣に座ろうとするとネズミ男が私よりも先に千里の隣に座る。
チッ…!
頭で舌打ちをした。
さすが元アメフト男はやたらとスピードが早いやん!
千里を動けなくすれば私が帰らないとわかってるネズミ男…。
イライラとしながら諦めてネズミ男の隣に座るしかなかった。