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嘘やろ!?
第7章 妖怪退治



一応、店を見渡して透がまだ店には来てない事にホッとする。

透が出勤をして来る前に千里を連れて帰らんと…。

そう思った瞬間だった。


「ご注文は?」


耳慣れた不機嫌な声がした。

冷たい目で私を見下ろすメガネを掛けた銀行マン風の色男…。

高校生という子供っぽさを失くす為だけの伊達メガネらしい。

透の不機嫌を感じるから披露宴で飲んだビールの酔いが一気に冷めて来る。


「朱音はミモザ、千里はカルアミルクゥっ!」


千里がご機嫌で注文をする。

塗り壁とネズミ男はビールを頼んでた。

注文を受けた透はカウンターの前に行き注文のドリンクを遼さんに作らせる。

だけどその目は間違いなく私を睨み続けてる。

早く千里を連れて帰らんと…。

気持ちだけが焦って来る。

なのに、わざとらしくネズミ男がソファーの背もたれに手を広げるから私の肩にネズミ男の手が当たる。

千里が酔ってたから面倒だと式場でドレスの着替えもせずに出て来た事を後悔する。

肩がモロに出てる藤色のドレスだから肌にネズミ男の手が直接に触れて来よる。


「楠木さんってOL?」


ネズミ男が私の耳に口を寄せて聞いて来る。


「朱音は学校の英語の先生だよぉ…。」


酔ってるくせに千里が余計な事を言う。


「中学?」

「高校…。」

「うわっ!いいなぁ…、こんな美人先生が教えてくれるんなら、もっかい高校生になりたいわ。」


ネズミ男が下品な笑いを浮かべた。

その手はまだ私の肩をわざとらしく触ってる。


「お待たせしました。」


やっぱり不機嫌な透がビールとカクテルをテーブルへと置いていく。

これは針のむしろや…。


「ねぇ、慎ちゃんは?」


不機嫌なのは千里も同じらしく口を尖らせて透に聞いた。


「慎也さんなら、土日は遅番なんですよ。」


透はあくまでもバーテンダーらしく淡々と答える。


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