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嘘やろ!?
第8章 スペアキー



ニヤニヤとする遼さんに勝手に私が1人でアタフタとしてまう。

勘弁してよーっ!

叫びたくなった。


「すみません、遼さん…。」


せっかく会えた以上は遼さんには透の保護者として聞いておきたい事がある。


「おっ?なんや?」

「透の進学についてです…。」

「アイツ、進学するとか言うてんのか?」

「いいえ…。でも、もし進学をさせるとしたら遼さんとしての意見とかを聞かせて下さい。」


透は特別な子…。

その透以上に特別な父親である遼さんなら私なんかよりも適切なアドバイスを透にしてくれるはずだと期待をする。

遼さんが頭をポリポリと掻く。

しばしの沈黙…。

何となくわざと焦らされてる気がしてイラッとした時だった。


「委任状…、書いたったやろ?朱音ちゃんが透とベッドで話し合ったらええねん。それが透には一番や。」


遼さんはそう言うて私の頭をポンポンと叩くように撫でて来る。


「だけど…。」


透の将来を私みたいな中途半端でいい加減な女が決める事に躊躇ってまう。

遼さんが言うようにベッドで決めたら透は全部を私の言う通りにしたるとか言うに決まってる。


「1つだけ…、教えといたるわ。」


遼さんが真剣な顔で真っ直ぐに私を見た。


「はいっ。」


気合いを入れて遼さんの意見を聞く。


「アイツ、親子丼が好きやねん。あんまり甘くないやつな。大抵、それを食わせたら機嫌ようなってなんでも言う事を聞きよるで…。」


それだけを言うと遼さんがクックッと笑いながら店の方へと消えてしまった。

へっ?

親子丼…?

いや、別に透の機嫌を取りたい訳やないし…。

チャラい遼さんに真面目に意見を求めた私が馬鹿だったと悟りを開いてた。


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