この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第8章 スペアキー
深呼吸をする。
ただ透の部屋に入るだけなのに、やっぱり緊張をしてまう。
中に入ると真っ暗だから電気を点ける。
いつもの青いシーツのベッドがまずは目に入って来る。
ベッドの上には真新しい女物のピンクのパジャマが置いてある。
私用に透が買ってくれたパジャマ…。
ちゃんと私がここに来ると信用をしてる?
その気持ちをもし私が裏切ったら透はどれだけ傷つくんだろう?
時刻はまだ夜の9時。
透が帰って来るまで5時間以上はある。
小さなキッチンに必要なものがあるかの確認をする。
2合だけ炊ける小さな炊飯器。
1通りは揃っている調味料。
片手鍋や包丁はある。
一度、透の部屋を出て、近所にある安売りのスーパーへと向かった。
24時間営業のスーパーだから、ある意味ではコンビニよりも安くて便利なお店。
ネギ、鶏肉、卵…。
そして自分用にビールとつまみ裂きイカ…。
久しぶりに誰かの為に買い物をしてる自分が嬉しいとか思う。
やっぱり母性本能か?
自分の為だけやといい加減になってまうのに誰かの為に食事を作るとかになると妙に張り切ってまう。
スーパーから帰って食事の下ごしらえだけをしてから風呂に入ってパジャマに着替える。
暇やな…。
時刻はやっと日付けが替わる頃…。
透の部屋にはテレビもない事に気が付いた。
本棚にあった本を見る。
ネット関係の本ばかり…。
専門書とかもある。
ちんぷんかんぷんや…。
ノートパソコンもあるけど、さすがに人のパソコンは勝手に触るのに躊躇ってまう。
早う帰って来いや!
自分勝手にそう思った瞬間だった。
透の部屋の扉が開いてバーテンダー姿の透が帰って来た。