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奴隷の罠
第3章 三
「私がお嬢様に仕えて、かれこれ10年が経ちます。お嬢様が13才で私は19歳の時から、私のお嬢様への気持ちは変わっていません……」
急に椿山が真剣に話すと、牡丹は椿山の顔を見た。
いつもの淡白な無表情。
何を考えているのか分かり辛い。
けど、人一倍真面目で、私の事を思ってくれている事には感謝している……。
「私はお嬢様をお守りします。お嬢様が間違った方向へ進もうとすれば、正しい道に戻して差し上げるのみ」
「椿山……?」
「奴隷などはしたない事をしてはいけません!お嬢様は由緒正しき空野家の長女!良いんですか?旦那様が悲しまれても……」
「別に関係ないわ」
熱く語られるとうんざりしてきて、牡丹はまたそっぽを向こうとした。…が、
「お嬢様が誰に恋しようと構いません!しかし!モラルを考えて恋してください!」
勢い良く掛け布団を捲られると、悲鳴を上げた。