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きっかけは映画館
第15章 これはデートですか?

「麻里絵ちゃん、昼飯は熱海だから、これから山道とかあるから、しっかり掴まっててね。」

コクンと頷く麻里絵ちゃんにドキドキする。

やたらとソーシャルアドバイザーって何なんだろう。

ギュッとしがみつかれるだけで幸せで、バイクで出掛ける提案をした自分に褒美をあげたい。

バイクから降りる度にぷるぷるする麻里絵ちゃんが可愛くて、俺が腰抜かさせてやりたいなんて邪な欲望もあるけど、

バイクと俺と麻里絵ちゃんで一体感とか言われたら、
もうそれだけでイケますって感じ。

でもガキじゃないんだし、真面目なお付き合いって宣言したし、本当に俺が欲しいって思ってくれるまでは我慢。

麻里絵ちゃんの体が欲しいわけじゃないからね。体も欲しいけど…





最悪な出会いだったから、これから上げていくしかないのだ。

でも、麻里絵ちゃんといるだけで楽しいから辛くはないけど…

熱海に抜けるまでの山道は、麻里絵ちゃんには辛いかと、やっぱりコンビニ休憩を入れて目的地に到着。

天丼と海鮮丼だけの店。
伊勢海老で出汁をとった味噌汁も最高。
って麻里絵ちゃんにお薦めしたけど、どっちにするか迷ってる。

「麻里絵ちゃんさぁ、二人で両方頼んでシェアすればいいんじゃない?」

「ヒジオはどっちがいいの?」

「両方。」

「来たことあるの?」

「うん、何度も。」

「………」

「凄い量だしさ、もしかしたら、麻里絵ちゃんどっちにしても食べきれないかもよ?悩むくらいなら両方でいいんじゃない?」



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