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きっかけは映画館
第15章 これはデートですか?
「じゃあそうする。」
って、両方頼んでシェアして、美味しいって喜んだけど、何か変なんだ。
だから、近くの海に連れていって、本当はもっと景色のいい所でと思ったけど、あまり綺麗じゃないテトラポットに腰掛けた。
「麻里絵ちゃん、疲れちゃったかな?急だったし、初めてのバイクで…」
「違う…」
麻里絵ちゃんは行程外でここに来たと勘づいてて、殻を作ってる。
「帰る?」
「そうじゃない。」
「どうしたか言ってくれなきゃ、わからないよ。」
「ソーシャルアドバイザーでも?」
「ははっ…さっきからそれ…」
「ヒジオは私といて楽しい?」
「楽しいっつうか、嬉しい。麻里絵ちゃんの色んな面が見られて。」
「疲れない?」
「疲れてないよ?麻里絵ちゃんは疲れた?」
「ううん…ヒジオはここに誰と来たの?」
「誰とも来たことないよ。
彼女と別れてからだよ。
あんなに週末出来る限り帰ってたのに、ポッカリ空いちゃってさ。
だから、愛知の手前のここまで走って帰る。
そうしている内に行列出来てる店とか見つけて…」
「何か、映画じゃないけどね。元カノと行ったのかな?とか、
私も酷いことしてるけど、それをヒジオはどう思うかな?とか…」