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きっかけは映画館
第15章 これはデートですか?
「薔薇っていっても、色んな顔があるんだな。」
「え…?」
「綺麗とか、可愛いだけじゃなくて、気品があるとか、刺々しいとか、可憐な感じとか…」
俺が言うと、麻里絵ちゃんは一つの薔薇を指して、
「これ、美人さんだけどキツくて、立花女史みたい。」
「ッブ…俺もそう感じて…さっきの発言した。」
居たらどうしようとか周りを気にする俺と、一緒になってビクビクする麻里絵ちゃんに笑えた。
「これなんか、元気一杯の優希ちゃんみたいだな。」
「優希ちゃんっぽいけど…」
急に麻里絵ちゃん天気は雷雲が発生する。
「ぽいけど…?」
「なんで商談の時、優希ちゃんだけ、ちゃん付けなのよ!!」
「っ…えっ…ええっ…?
だって、麻里絵ちゃん知り合いだって知られたくないと思って…」
そんなことを気にしてるなんて思いもよらなかった。
「だったら、なんで優希ちゃんは、ちゃん付けなのよ!!」
って、そんなこと気にしてたの?それで終盤堅かったんだ。
「部屋入る前、麻里絵ちゃんが、優希ちゃんの名前を呼んで、励ましてたの聞こえてたから、立花女史にカチコチだったし、優希ちゃんをリラックスさせてあげようと…」
「ヒジオは可愛い子にはデレ〜ッとして、優希ちゃん優希ちゃんって…」
「デレッとなんかしてないよ。だって優希ちゃん彼氏いるでしょ?」
「なんでわかるの?」
「匂いってか、あの娘、お揃いのチャームが付いたネックレスとブレスしてるから、YとAの。片桐だからAは男のファーストネームだなって…」