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きっかけは映画館
第18章 同伴出勤?
ヒジオが寝室を出ていって、しばらくしてリビングにいくと……臭いっ
昨日、食べたままにした缶詰めのおつまみやビールの匂いが…
とりあえずそこを片付けて洗う。
ヒジオのキッチンは本当に使ってないようで、綺麗だった。
荷物から化粧ポーチを出して洗面所に向かうと…
ギャアアアアア…
ヒジオが腰タオルでいた。
ヒジオの家だから、ヒジオの好きにするのは仕方ないけど、
まだよく拭いてないのか、水滴を纏っていて、色っぽい…というより、艶かしい…まるで情事のあとの気怠さのようで…
服を着るように言っても、タオルで十分と、洗面所を一緒に使う。
こういう感覚が、裕司と違うかも…
それとも慣れ…というのか、お互いにぶつからないよう、被らないようずらして行動して……すれ違いになっていたのでは…
鏡越しにヒジオを覗けば、高い身長に見合った肩幅、そこからの逞しい胸筋、ギュッと筋肉の詰まった腰…
歯ブラシが扱いにくいのではと思えるほどの大きな手、
でも、あの指先が繰り出す繊細な感触を知っている…
女だって欲情する。
『ヒジオ…いい男だろう?』
私の中でちびヒジオが株を上げようと騒いでいる。
ヒジオが先に出ていって、ホッとしてメイクをした。
リビングに行けば、ヒジオはもうスーツ姿で、朝食は外でとるという。
慌てて着替えたが、ブレスレット…した方がいいよね。
ポーチに入れて持ち歩いていたが、それを着けた。