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きっかけは映画館
第21章 気がつけば…
「ヒジオが好きなのが私で、私が好きなのがヒジオだったら、貴女は引いてくれるんですか?」
「えっ…?」
知らないうちに言葉にしてて…
何故か、女性じゃなくヒジオが『えっ…』とか言って…
「じゃあ、今から私たちは付き合ってます。はっきりさせてくれて、ありがとう。」
女性の目を見てはっきりと言った。
女性の表情がクシャッと歪んだのが見えたけど、もういたたまれなくて…
ヒジオの手を引っ張って、駅にずんずん向かう。
「麻里絵ちゃん…麻里絵ちゃん?」
後ろでヒジオが何か言ってたけど、女性に奪われないように、改札を抜けホームまで早足で、ちょうどホームに滑り込んだ電車に乗り込むまで、一気に歩いた。