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きっかけは映画館
第21章 気がつけば…
「つまみは惣菜コーナーで腹持ちするもの選ぼっか〜。」
ヒジオは、何かご機嫌伺いしてる感じで、逃げないように私を連れ回す。
「麻里絵ちゃんの歯ブラシとコップも選んでいい?」
日用品コーナーにも連れて行かれる。
「後は……明日でいっかぁ。」
結構な荷物を二人で分けて持って…帰った。
「麻里絵ちゃん、お先にお風呂どうぞ。」
部屋に入ればすぐにお風呂を勧められて…ヒジオのなすがまま。
スウェットに着替えてリラックスすると、ヒジオが代わりにバスルームに消える。
何て言ったんだっけ…
落ち着かなくなり、ヒジオが出してくれていた大皿に、惣菜をチンして盛り付けたりした。
「あれ、オードブルみたいだ。」
濡れた髪にタオルを首に掛けたヒジオが、テーブルを見て驚く。
「じゃあ、このお皿、何のために用意したの?」
「乾き物でも入れようかと…」
「じゃあ、これ、食べたらね。」
「なら、グラスも出すか。」
ヒジオは缶ビールとチューハイとグラスを持ってやって来た。
「お疲れ様〜」
乾杯をして、つまみに箸をつけて一息ついた。