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きっかけは映画館
第27章 おうちで映画
「ところで、今、何か言いたいことある?」
「そうね、家にスーツを取りに行くの、忘れてない?」
「そうだった。ん〜スカートじゃバイク跨げないからちょっと待ってて?」
ヒジオに手を引かれて寝室に行く。クローゼットを開けて服をひっくり返してる。
「これでどうだろ…」
ウェストゴムの短パンに長ティーを借りて、さらにこの前のジージャンを羽織る。
「近いから大丈夫かな。」
と手を繋いでバイク置き場へ…
自転車の駐輪場よりしっかりしたバイク置き場。更にシートを掛けていて、凄く大事にしているのがわかった。
「バイク…凄く大事にしてるんだね。」
「ああ、気をつけないとすぐ傷むからね。」
カバーを外しシートやハンドルをタオルで拭い、その手つきはまるで女性を撫でているようだった。
「ん?麻里絵ちゃん、どうした?」
「ヒジオのバイクは愛されてるなぁって…」
「………それって…バイクに妬きもち?」
「んぇ…えっ?」
ヒジオがニヤリと笑い抱き締めてくる。
「バイクに妬きもち妬くなんて、麻里絵ちゃん可愛いっ…」
ギュウギュウと抱き締められて、キスされる。
「ヒジオ…ここ、外…」
ん…チュッ…チュッ…
「だめっ、麻里絵ちゃんが悪い。」
しばらくバイク置き場にリップ音が響いた。