- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第32章 お仕事!!
「優希ちゃん、フェアの事なんだけど…」
と、トートバッグの話をする。
「それ、凄くいいアイデアですね。
先輩、今日もランチ行きましょ?」
脈略はないけど、まあ、優希ちゃんだし…
早々に部長に報告し、ヒジオにメールする。
もちろん会社のアドレスで業務として…
返信も、
【ご依頼の件、かしこまりました。近々、鞄部門と、その後、2部署合同での商談の日程調整のほどお願い致します。】
と、真面目な返信。
パソコンをどんな表情で打ち込んでいるのだろうと想像しながら、入場券とトートバッグのレクチャー資料を作成する。
「麻里絵先輩…ご相談があるのですが…」
優希ちゃんも実践を積んで、TPOを見極めることが出来るようになってきた。
「場所を変えた方がいいの?」
「出来ればミーティングルームでお願いします。」
思い付いたらすぐ発言…でなく、私達が中心となって動くことに、周りの視線が集まっていて、動向を見られていることも、イメージできたようだ。
「それで、どんな相談?」
「イートインのことなんですが…」
優希ちゃんが考えているのは、屋台のような出店。
お試食は販売品を小分けにすればいいが、例えばクレープを販売するとして、職人にきてもらうのか、はたまたノウハウを取得するのか、そもそもどういう方法があるのか。
という問題だった。
さらに、優希ちゃんは今までの催事場での出店状況を確認しており、今までのイートインはほとんどが国内で、知名度アップや本家誘致を期待して、その期間出張してくることが多いようで、ノウハウだけを取得、一時利用することはなかったそうで、手段があるのかもわからないとのことだった。
そして、その問題がクリアするなら、1〜2週でイートインを2店舗ほど交代で入れてリレーし、具体的に呼びたい店舗も数店ピックアップ出来ているということなのだ。
「それで、先輩…土方さん経由で、そもそも可能なことを考えているのかどうかとか、ノウハウの輸入、もしくは職人さんにきてもらう等の交渉を△△商事で行っているのかとか、聞いて頂きたいんですが…
無理なら、試食品程度のイートインしか出来ないし、衛生上それが許されるかも確認しなきゃならないと思うのです。」