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きっかけは映画館
第32章 お仕事!!
ヒジオは惣菜部のおかずにも、美味しいを連発して平らげていく。
今日は大人買いした缶チューハイにして食事をした。
「麻里絵ちゃん、これ見て?」
ヒジオがジグソーパズルの上蓋を示す、完成図には白い石畳の路地に花屋やパン屋などのワゴンが並んでいた。
「ああ、この絵で見たからか、こんなイメージでイートインが出来たらって思ったのよ。」
「うん、俺もこのイメージを持っていたかも…」
ヒジオに手を取られてバスルームに向かう。
一緒にお風呂に入ることはだいぶ慣れてきたと思う。
「麻里絵ちゃん、ばんざーい。」
帰ってきて着替えた部屋着をヒジオに脱がされて、ヒジオの後についてバスルームに入った。
シャワーを浴びながら洗っていき、互いの背中を洗う。ヒジオだって疲れてるんだ。
どこか、ヒジオが先に好意を持ってくれたからと甘んじる自分がいるような気がして言い聞かせた。
湯船もヒジオに背中を預けて入るのが当たり前になりそうだ。でも、疲れててべったりと全体重をヒジオに掛けてしまっていた。
「麻里絵ちゃん?」
「ん?」
ヒジオがうなじに唇を押し付けながら話しかけてきた。
「何考えてる?仕事のこと?」
「ううん、ヒジオのこと…
ヒジオも疲れてるだろうに寄りかかって重くないかなって…」
「麻里絵ちゃんくらいなんともないよ。」
「私、ヒジオに甘えてばっかだなって…」