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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
「そこだよ、そこ。結婚が公に俺は麻里絵ちゃんのもの、麻里絵ちゃんは俺のもの、人生も時間も体も全て…って定義があるから、結婚したい。俺は麻里絵ちゃんのために全てを費やしたいし、麻里絵ちゃんの全てを手に入れたい。」
「ふうん…じゃあ、結婚が全てじゃないって私が言ったら、ヒジオは結婚しないの?」
「形にはこだわらないよ。結婚しなくても、麻里絵ちゃんの一番近くにいられるなら…」
「ふうん…」
「ただ麻里絵ちゃんが結婚してないから他の男のところに行くって言っても許さない。」
「へぇ〜」
「だから言ったでしょ、お互いが同じ方を見て、同じものが一番でないとって…」
「うん…」
「でもね、急がなくていいよ。間違いだったって思ったら、言ってくれればいいから…」
「ヒジオは優しいよね…」
「そんなことないよ。がんじがらめにして逆に麻里絵ちゃんに逃げられたくないだけだよ。」
「うん、今日もありがとね。」
「え、何が?」
「立花女史と話してた時、優しく見守ってくれてたこと…」
「いや、ただ麻里絵ちゃんに見とれてただけだよ。」