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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
麻里絵ちゃんと一緒にいれば、電車も買い物も家でも、何でも幸せ。
って、伝わってるのかな〜
別れたばかりだから、裕司が嫌いになって別れた訳じゃないからとか、もう考えるのはよそう。
麻里絵ちゃんと一緒にいたい。何度でも俺の気持ちを伝えなきゃ。
比較的空いている電車で、それでも麻里絵ちゃんをガードしながら決心した。
「でも、肉食部の女…怖かったね。ヒジオのこと本気で好きなんじゃない?」
「違うでしょ、前回あんな形になったのが、プライドとして許せなかっただけじゃない?」
「プライド?」
「誘って、断られたってのが…、今までプライド傷つけられた経験がないだけでしょう。」
「でも、わざわざ声を掛けてくるなんて、やっぱり怖いね。」
「麻里絵ちゃんに俺が女にだらしないって話して、動揺したり傷つくのが見たかったんじゃない?」
「う〜ん、暇だね。」
「まあ、彼女の話はもういいよ。時間がもったいない。」
結局、買い物が終わって家に帰るまでヒジオの手は腰から離れることがなかった。
「そうだ、スコッチエッグハンバーグしてみる?」
「何だかわからないけどやってみよう。」
麻里絵ちゃんに言われるままに、玉ねぎを炒めて肉と混ぜて捏ねていく。
麻里絵ちゃんはサラダやスープ、ソテーを作っていた。