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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
「麻里絵ちゃん、またその言葉で思い悩んでいない?」
「え…あ、ヒジオって…同棲とかしたことあるの?」
「はぁ?だから、元カノの家に週末入り浸っていたことをそう捉えるなら、そうなるけど…
俺はあれは同棲とは思ってないけど?」
「そ、そうだよね。」
それを言ったら私と裕司も同棲になるわけだ。
「麻里絵ちゃん?それに、俺とのこれからだって、同棲とか重く考えなくていいんだよ。心配だから一緒にいる。一緒にいたいから一緒にいる。
一緒にいると協力して楽になるから一緒にいる。
それでいいんだよ。」
「うん、そういう風に言い切れるヒジオが同棲に慣れてるのかな?とか思っちゃって…」
「慣れてるわけないよ、あの家に人を入れたの麻里絵ちゃんが初めてだし、同棲なんてしたことない。
だけど、不安はある。」
「え…?ヒジオでも?」
「うん、麻里絵ちゃんと一緒にいて眠れるかな…とか、麻里絵ちゃんを寝かしてあげられるかな?とかね。」
「…………」
優希ちゃんが言ってたことを思い出した。
『同棲してたら基本毎日でしょう。そりゃ、どちらかが疲れて途中で寝ちゃうことも……』
「ひ、ヒジオ?私が寝れるかは心配しなくていいから、眠かったら寝ちゃうから…」
ッププ…
手厳しい麻里絵ちゃんは健在のようだ。
忙しいなかで更に環境を変えさせるなんて、難しかったかなと思ったけど、
麻里絵ちゃんが麻里絵ちゃんらしければ大丈夫そうだ。