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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
買い物に出掛ける。収納棚を共通の財布から購入すると、
「ヒジオ…これは私のだから、私が出す。」
と言う麻里絵ちゃん。
「でも、俺達のうちで使うんだし、麻里絵ちゃんの家には必要ないでしょ?
もし、同盟が失敗したら、置いていくようになるんだから…」
「失敗なんてしないもん。」
そう言わせたくて失敗なんて言ったけど、
「じゃあ共通財布から…」
そして、食器を見に行く。とりあえず、マグカップとカトラリーを二組ずつ揃えた。麻里絵ちゃんがお財布を気にするから、また来週に見に行くことにして…
大きなものは配達を頼んで急いで家に帰る。
ドレッサーが到着する予定だった。
「わぁ…素敵。」
書斎の家具は黒に統一してあるから、尚更、白いドレッサーが輝いて見える。
麻里絵ちゃんは早速腰掛けて鏡を覗いていた。
「このお花の彫刻可愛くて素敵。」
鏡の縁と天板の縁、引き出しの取っ手が丸い可愛らしい花に囲まれている。
「麻里絵ちゃん、お姫様みたい。」
後ろから抱き締めて頬にキスをした。
「ヒジオ…大げさだよ…恥ずかしい…」
麻里絵ちゃんは照れているけど本当に可愛いんだから仕方ない。
チュッ、チュッと頬やこめかみにキスをした。
「ヒジオ、ドレッサーの中身を片付けるから…」
麻里絵ちゃんに言われるまでキスし続けた。
「お昼はうどんを茹でてカレーうどんだよね。俺やってみるから。」
麻里絵ちゃんが片付けている間に昨日のカレーをカレーうどんに変身させるのをやってみた。