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きっかけは映画館
第38章 きっかけは映画館
ヒジオの話し方は営業モードだけど、優しく心配しているのが声色でわかる。
共通財布の話をしたときのように、優しく覗き込むようにして語り掛けてくる表情が浮かんだ。
「フェア開催後に常設するテナント店舗の話が、先程管理者会議で決定いたしまして、2店舗のテナントスペースを確保し、ヨーロッパからのスイーツの店舗を招致することが正式に確定しました。」
『やっ…それはとても良かったです。間宮さん方の努力が実ったわけですね。』
「お力添えいただきありがとうございます。
詳細はまた文書で連絡いたしますが、方向性としてはフェア内でお客様に投票いただき、トップ2店舗を招致することになると思います。
つきましては、スイーツ部門の立花課長様にお伝えいただきたいのですが、」
『はい、かしこまりました。フェア終了後も日本に進出する意志のある店舗という条件でこちらも開拓していけばよろしいですね。』
「はい、よろしくお願いいたします。」
『フェア開催中、またテナント入りした場合の契約条件なども設定していかなければなりませんね。
立花にその辺も含め伝えまして、場合によってはまた打ち合わせが必要になろうかと思います。』
「かしこまりました。その場合の条件など、ヨーロッパの商慣習なども無知ですので、ご教授ご鞭撻いただきたいのですが。」
『かしこまりました。まずは、提示できるテナントスペースの資料が必要になってくると思います。取り急ぎそちらをご用意ください。』
「ありがとうございます。早速取り掛かっております。」
『そうなると間宮さんもまたお忙しくなりますね。』
「はい。」
『無理をなさらずに、いつでも連絡下さい。』
「ありがとうございます。追って連絡いたします。」
『では、後程。』