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きっかけは映画館
第38章 きっかけは映画館


「先輩、まずは仕事の話をしますね。」

「う、うん。」

「今までは先輩が皆の取り纏めをしていたけど、シュミレーションで忙しくて出来ませんよね。
だから、グループにいるチーフで毎朝チーフ会議をすることにしたらと思ったんです。」

「会議?」

「はい。時間は15分で、進捗状況や問題点、人手が足りない、グループで連携を取るべき等の最低限のミーティングです。」

「うん。」

「そうすれば先輩が聞いて回る必要もないし、互いに目標や期日が見えてくるし協力も出来る。麻里絵先輩が一人で抱える必要もないし、グループは完成形で仕事を仕上げる意識が出来る。どうでしょうか?」

「とてもいい案だけど、毎朝やる必要があるかしら。」

「まとめて長い時間やる必要はないんですよ。皆が話すことがなければもっと早くに終わりにすればいい。
逆に進捗も進展無しではマズイって気付きもあると思うんですけど。」

「そういうことね。早速部長に話してみましょう。」



「じゃあ、仕事の話は終わりで、週末何かいいことありましたか?土方さんと…」

「え?」

「麻里絵先輩、とてもいい表情してるし、プライベートが充実してて、仕事にも精が出てるって感じですよ。」


「そ、そんなに違うかしら…」

「デートとか、旅行とか?」

「出掛けてはいないけど…
あのね、ヒジオと…同棲というか、同居同盟を組むことになったの。」


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