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第38章 きっかけは映画館

事務室に戻って優希ちゃんのミーティングの案を話すと、部長は大変気に入って、その場で皆に発表した。

「じゃあ、早速今日の分を今からやるか。」


「え、今からですか？資料も何もないですよ。」

事務室の端から声が上がる。

「そんなもの要らんだろ、明日以降も要らん。その日の生の声を聞き、意見を交わすことに意味がある。
ほら、チーフはすぐにここに集まって。」

「え、皆の前でやるんですか？」

「移動時間ももったいないし、終わってグループに伝える手間も省けるだろう。」

部長の声にわらわらとチーフが立ち上がり、中央の部長が図面を広げているミーティングテーブルに集まる。

すぐさま皆の前でミーティングが始まる。

優希ちゃんと部長のアイデアで有意義なミーティングが始まる。

急に振られたせいか、皆、現状や問題点を率直に報告する。

すると違うチームからアドバイスが出たり、関連性から共同で取り組もうなどと話が出た。




「お、もう15分になったな。」

「まだ話してないグループが、」

「元々今日やる予定のなかったことだ。だらだら会議しても意味がない。逆に話し過ぎたと思うグループは明日気をつければいい。さあ戻って仕事だ。」

確かに、会議に時間を取りすぎても仕事は捗らない、部長が優希ちゃんのいう15分で区切ったところが凄かった。

皆が目標や全体像が見えて、意欲的に仕事に取り掛かる。部全体の士気が上がった気がした。