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きっかけは映画館
第38章 きっかけは映画館
惣菜を温めたり盛り付け直して食事の用意をする。
「麻里絵ちゃん、共通財布からお金出してね。それと、共通財布のお金それぞれ少し持ち歩こうか。」
私が言い出したことが二人の決まりになって、二人の生活の基盤になっていく。
優希ちゃんがグイグイ来るということはそういうことか…
思い悩んでいるより、事実が先行して形になっていく。
同棲でなく結婚の準備、結婚生活のプレリリースなのだと思い知らされた。
「麻里絵ちゃん、俺もワインの赤白と焼酎と割りもの買って来たんだ。今日のメニューだと焼酎がいいかな。」
ヒジオも荷物を持っていると思ったらお酒だったんだ。
「「いただきます。」」
「うん、美味しい、麻里絵ちゃんとこの惣菜って美味しいよね。」
「天下の○○デパートのデパ地下食材ですから…」
「そ、そうでした。
今のシュミレーションの仕事もグループでしてるの?」
「ううん、今まで総括の仕事をしてたんだけど、優希ちゃんがフェアのレイアウトのチーフ、
部長自らテナントスペースの確保と分担して、もうグループも分けられないから一人でやってるの。
その分優希ちゃんの提案で毎朝ショートミーティングをすることで総括の仕事はなくなったんだけど。」
「そうしたら、麻里絵ちゃんわからないことあったらいつでも相談してよ。」
「ありがとう。」
「うん、帰ってからでも、時間中に連絡してくれてもいいし。
交渉に多分、立花女史が行くようになるからさ、
立花女史と麻里絵ちゃんの橋渡しを俺がするようになると思うし。その時の練習だと思って遠慮なく聞いて?」
「ありがとう頼りにしてます。」