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きっかけは映画館
第39章 おフランス
「はい、○○デパート間宮です。」
『あ、麻里絵ちゃん?俺っ…、今、立花課長から連絡来て…』
ヒジオが裕司の事を気にしてるとは思わなかった。
お酒を飲んで、エッチもして、あのあとベッドに入ったらすぐに寝てしまい、朝もギリギリでバタバタして出てきた。
会社についてからもバタバタしているところにヒジオからの電話。
『麻里絵ちゃん』って、席でそんな感じでいいのだろうか…なんて思ってたけど、早速、立花課長からの連絡が入ったようだ。
一軒、契約直前まで漕ぎ着けたけど、もし出店が決まったら、どのくらいで準備する必要があるかという問い合わせだった。
それを皮切りに次々と連絡が入り、部長に確認したり、急遽、チーフミーティングをして解決していく。
週末も出勤することになり、ヒジオも一緒に出勤だった。
「麻里絵ちゃん、立花課長も言ってたけど、質問には答えなきゃならないけれど、要望は何でも聞かなければならないわけじゃないって…
特に金額的な折衝は、一度柔軟な態度を見せると、どんどん崩されちゃうらしいから…」
「うん、わかった。ありがとうヒジオ。」
休日出勤は、立花課長からの連絡が入るかもしれないとの待機で、やはり連絡が何本か入る。
裕司の引っ越しのことなんて思い出す余裕もなく週末が過ぎていった。