- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第40章 日の出
立花女史の無表情は目を丸くした驚きへと変わる。
立花女史の求めたどちらでもない答えなど許されなかったか…
今時、女性が結婚しても仕事を続けることが出来るのは当たり前だ。
でも、女性が対等に働くことを当たり前にしてきたのは、全てを仕事に捧げてきた立花女史のような先駆者のおかげだ。
その立花女史に、その意気込みでどちらを選ぶか聞かれて答えないなんて、怒りを呼ぶに決まっている。
怒られるのを覚悟で項垂れそうな顔を上げ立花女史を見つめた。
「ふっ…」
立花女史の表情は柔らかく穏やかなものに変わる。